本日公表の企業治験

研究名称:小児KCNT1関連発達性てんかん性脳症患者にS230815を髄腔内投与した際の安全性、忍容性、薬物動態及び薬力学的作用を評価する第Ib/II相ヒト初回投与、多施設共同、非盲検、反復漸増投与試験

 

本日(2026/4/28)付けでjRCTに初回公表となっております。

この薬剤は

「髄腔内投与」ですので、経口薬(飲む)や注射薬(点滴)とは投与経路が異なっています。

脳から脊髄は連続していて、その周りを髄液が流れています。

その外に存在する膜が「くも膜」で、髄液が流れているのはくも膜下腔と言います。

脊髄は腰の先まで伸びていて、腰の辺りにもこのくも膜下腔が伸びていることが分かります。

腰椎穿刺といって、腰から刺してこのくも膜下腔に到達する方法がとられると思います。

下半身麻酔(腰椎麻酔)で手術を受けた方は経験されていると思いますし、うちの子供も発熱時に髄膜炎疑いのときに腰椎穿刺を受けました。

Servierが出している治験実施計画書の概要がwebで閲覧できましたのでリンクをはっておきます。

S230815治験実施計画書

 

First-in-human、つまり、ヒトにはじめて投与する薬であるため、「5.本治験の実施方法」に書いてある通りに、どのくらいの投与量が適切なのか?副作用がどうなのか?など、KCNT1関連の症状の効果に期待しつつ、まずはヒトに投与して安全なものなのか?の確認が主になると思います。

 

Servierという企業のホームページを参照しますと、つい先週の段階では、“More centres in the US and Japan will be added soon”となっていましたが、ここからJapanが消えていました。

Show the map & locationsをチェックしますと、日本では3施設が表示されていました。

 

信州大学医学部附属病院

大阪市立総合医療センター

静岡てんかん神経医療センター

 

ただ、まだNot yet recruitingとなっていますので開始にはなっていない様です。

jRCTにも大阪市立総合医療センターの受託研究審査委員会が記載されておりました。

 

別のURLでも上記3施設が記載されていましたので、近い将来、治験がはじまるのではないでしょうか。

 

難治性てんかんに位置づけられているこの疾患

てんかん発作が止まらず、日々の生活で一杯一杯になっている場面も多々ありました

有効な薬剤がない(抗てんかん薬の効果の出方が一律ではなく、この薬が効きますよ!というものが確立していない、という意味での説明だったように覚えています)

 

てんかん発作が出なくなること、そして発達が少しずつでも進んでくれるきっかけとなる薬剤であることを期待しつつ、はじめての人への投与なのでやはり副作用がどうか?に不安感があるのも正直なところです。

とはいえ、「何も有効な治療が確立していない」からは大きな前進であるように感じます。

 

KCNT1 foundationのフレーズである「Hope is on the horizon」

まさに希望の兆しが見えてきて、これがHope is becoming a realityになることを願ってやみません。

ABS-1230

Actio Biosciencesが第Ia相試験を開始 2025/9/23

 

オーストラリアで開始、2026年にアメリカで第Ib/IIa相試験に進めたい意向

ABS-1230はselective small-molecule KCNT1 inhibitorで、他のカリウムチャネルには作用せずにKCNT1のみに作用する設計

ABS-1230  inhibited all tested pathogenic mutations in the KCNT1 gene」と記載されていますが、この「all」にどの遺伝子異常が含まれているかは確認中です