大麻の成分であるカンナビノイドが難治性てんかんに奏効する場合があります
わが国においても、既存の薬剤が無効でご両親のご判断でCBDサプリメントを使用したところ著効した例の報告がありました。(下記の分担研究報告書を参照)
エピディオレックス 日本ではまだ治験が行われている段階です
アメリカではFDA承認が2018/6/25で、レノックス・ガストー症候群とドラベ症候群に対して使用可能です
欧州では2019/9月に承認されています
Devinsky O at al. New Engl J Med 2017;376:2011-2020
Trial of Cannabidiol for Drug-Resistant Seizures in the Dravet Syndrome
対象はドラベ症候群の患者のみで、double-blindの試験ですので、患者さん側も医師側もCBDなのかプラセボなのかが分からないという状況での臨床試験です
CBDオイルは100mg/mLのCBDが含まれているもので、CBDの投与量のmaxは20mg/kg/日で、1日2回投与になっています
発作回数はCBDオイル使用群では-38.9%、プラセボでは-13.3%という結果
有害事象は眠気が36%で最多、続いて下痢が31%、嘔吐が15%
肝機能異常のために投与中止になったのが3例で、全員デパケン内服中
大麻取締法の改正についての検討 2022/9/29
日本では大麻取締法の制限があり、医療目的であっても大麻由来製剤の使用ができません
日本てんかん協会 厚生労働大臣に要望書を提出しました 2022/9/26
ドラベ症候群患者家族会、日本小児神経学会、日本てんかん学会と連携して4団体で要望活動を行っているということです
一般社団法人GREEN ZONE JAPAN
難治性てんかんにおけるカンナビノイド(大麻抽出成分)由来医薬品の治験に向けた課題把握および今後の方策に向けた研究
研究班ホームページ
令和2年度研究報告書
分担研究報告書 個人的にはこちらのPDFファイルの内容が読みやすく分かりやすかったです
上記報告書内にあったCBDオイルの会社
Hemptouch
1500mg/10mLのものを使用したと記載があるので、エピディオレックス(100mg/mL)よりもちょっと濃度の高いもののようです
近い将来に、既存の治療薬が効かなかった場合の選択肢になるように願うばかりです